金は運命をも支配することを実証したことにイグノーベル経済学賞

 

■金は人の運命さえも支配していることの実証

2001年 イグノーベル経済学賞)

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■受賞した人

ジョエル・スレムロッド教授(ミシガン大学ビジネススクール)

ウォジェック・コプチャック教授(ブリティッシュ・コロンビア大学)

 

■研究内容

「人間の人生は万事カネに左右される。己の死でさえも」…そんな世知辛いことを実証した2人の教授がいました。その実証方法とは相続税率の低下に延命効果があるかどうかを調べるものでした。

 

スレムロッド教授はミシガン大学税政策研究所の所長でもあり、おおまかな調査方法はすぐに見当をつけていたのだそうです。

 

教え子であるコプチャック教授の協力を得て、スレムロッド教授は過去100年分の納税記録を精密に調べていきました。

 

「人間とは合理的な判断を下し、冷静で利己的な思考に基づいて行動するものである」と、経済学者は信じたがるものなのだそうです。「ほんとにそうかな」と内心では疑問を抱えながら。

 

スレムロッド教授もまたそんな疑問を抱える経済学者の1人で、「人間は、死のタイミングですら、合理的な決定によって左右されるものなのか?」という疑問をよく投げかけていました。

 

この相続税というものは政治の圧力に左右されやすい税制であり、2人の教授の生活・仕事の拠点であるアメリカでは頻繁な税率改定が行われています。現に共和党ブッシュ政権下では(富裕層支持者多数)相続税の廃止が行われましたが、民主党ブッシュ政権下では(貧困層支持者多数)大幅な相続税の見直しが行われました。

 

わが国、社会主義国家日本でも懲罰的ともいえる相続税によってたくさんの人々が苦しめられています。

この二人の調査の結果、人間は税率が下がる年度まで生き延びようとすることが分かったのです。「遺族が相続税の負担を軽くするため、日にちをずらして虚偽の死亡届を提出した可能性」もあるため、この結果の完璧な裏づけは出来ないのだと教授は話します。

 

しかし相続税の低下による延命効果を実証したことを称え、二人はイグノーベル経済学賞を受賞したのでした。

 

ちなみに、相続税の無い国というのも沢山あります。ある意味、相続税のタックスヘイブンですね。その国の国民になれば無税・・・、うーん難しい問題ですね。

 

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リスクを拒否したロイズ保険組合にイグノーベル経済学賞

■リスクを引き受けたくないと駄々をこねた英国一の保険会社の投資家

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1992年 イグノーベル経済学賞)

■受賞した人

ロイズ・オブ・ロンドン(ロイズ保険組合)の投資家(ネーム)

 

■受賞理由

濡れ手に粟の収益は自分たちのものに、リスクや損害に対してはダンマリを決め込んだロイズ保険組合の秀逸な経営姿勢に対し、イグノーベル経済学賞が授与されました。

 

■イグノーベル経済学賞の道のり

世界的な規模を誇る保険会社のロイズは、国際的な評価と収益をほしいままにしてきました。ところがそんなロイズに、突然の巨額損失の計上という不幸が襲います。

 

ロイズ保険組合は日本の保険会社とはシステムが根本的に違います。ロイズは「ネーム」という株主と同じような存在の人々によって所有されており、このネームは、ロイズが損失を計上した場合に己の全資産を使ってでもカバーしなければならないという立ち位置にいました。「最後のシャツのボタンまで」支払う責任を負っているのです。

 

当時ネームになるということは、そのリスクを以ってしても余りある社会的地位と名誉を得られるということであり、多額の資産と影響力を持った者の証明でもあったのです。

 

ロイズとネームの蜜月時代は、永遠に続くかと思われました。

 

しかしそんな幸福も唐突に終わりを告げます。ハリケーンなどの自然災害をはじめとして、数々の大きな予期せぬ事態が重なってしまい、ロイズは膨大な損失を発生させてしまったのです。当然これにネーム側は怒りをあらわにし、保険金の支払いを拒みました。

 

この強硬な姿勢に焦ったロイズ側は、新たなネームを獲得して損失を埋めようとします。それまで地位と名誉の証だったネームは一転、ロイズのための損失埋め合わせ人と化したのでした。

 

この悲劇が生んだ混乱の渦中にいたネームを称え、イグノーベル経済学賞が授与されたのです。

 
 

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