巨大都市と名門銀行を破滅させた2人にイグノーベル経済学賞

■オレンジ郡を搾り取った男/ベアリングス銀行を破産させた男
(1995年 イグノーベル経済学賞)

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■受賞した人
ニック・リーソン(ベアリングス銀行)
ロバート・シトロン(カリフォルニア州オレンジ郡)

 

■受賞理由
デリバティブ、と呼ばれる金融派生商品を利用し、他人の資金をも利用して、ロバートは当時アメリカで最も裕福な都市だったオレンジ郡を突然破綻に追い込みました。同時期にニックもまた、イギリス最古の銀行の一つであったベアリングス銀行を倒産させました。これらの偉業を称え、2人に1995年イグノーベル経済学賞が贈られました。

 

■イグノーベル経済学賞までの道のり
オレンジ郡と聞くとオレンジ栽培をやっているのどかな田舎町を連想する人がほとんどだと思います。実はアメリカの郡と日本の郡とは基本的に違うものなのです。このオレンジ郡、人口が300万人を超える超巨大都市で、アメリカでも屈指の人口の多い都市です。またディズニーランドも存在し多数の観光客で潤っており、とても裕福な都市でした。

 

そのオレンジ郡が破綻したとなると、とんでもない規模の破綻です。日本で例えるなら、いきなり名古屋市が破綻したようなものでしょうか。(微妙に違うかもしれませんが、規模で言うとそんな感じです。)

 

また、同じく破綻したベアリングス銀行は1762年に創設され、英国王室御用達となり女王陛下の銀行とまで称えられたイギリスの名門銀行です。

 

2人は一時期「天才投資家」として名を馳せた頃があり、それにより生じた自身への過信が招いた結果だったのではないか、との見方も出ています。事実、2人はその大成功をした時期、それぞれオレンジ郡とベアリングス銀行とに莫大な利益をもたらしており、周囲もそんな2人を信頼し(すぎて)、少しのリスクは看過していたのでしょう。

 

デリバティブ(金融派生商品)と呼ばれる投資の失敗で何千億円もの損失を出してしまいます。突然財政破綻したオレンジ郡と、突然倒産したベアリングス銀行の人々は、ただただ驚いていたと言います。

 

それも、財務担当者や経営幹部は、誰1人として金融派生商品取引のメカニズムを理解していなかったとのことですから、その驚きもまた当然のものだったのでしょう。

 

まさにグリード(強欲)が招いた破綻だと言えそうです。

 

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巨額の損失を出したディーラーにイグノーベル経済学賞

■チリGNP0.5%相当をすったJP・ダビラ

1994年 イグノーベル経済学賞)

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■受賞した人

フアン・パブロ・ダビラ(コデルコ社)

■受賞理由

電子取引による注意の徹底と資本主義のあり方を、自分の経験を通じて世界中の人々を啓蒙した功績を称え、イグノーベル経済学賞が授与されました。

 

■受賞の背景

チリでは、「Davilar(ダビラー)」という動詞が新たに誕生するほどの大騒動となったようです。メチャクチャにする、という意味で使われるというこの動詞の元となったダビラは、勤め先のコンピュータ端末の操作を間違い、「売り」と「買い」のボタンを逆に押してしまったがために、チリ経済全体を、ひいては世界中の企業を混乱に陥れました。

 

ダビラの勤め先であるコデルコ社はチリ政府が経営する巨大企業で、ダビラはそこの鉱物先物契約を任されていました。

 

たった一度の操作間違いにより、気づいた時には多大な損失(4千万ドル)を出してしまっていたダビラは、その損失を埋めるためにハイリスク・ハイリターンの取引に手を出してしまいます。

 

結果この失敗から翌年1月には、損失額は信用限度額を超過し、2700万ドルに達してしまったのです。この額はチリ国民総生産の0.5%に相当する金額でした。

 

しかし「ダビラだけが一概に悪いわけではない」と主張するのは、ダビラの弁護士です。「一連の取引を許可したのはコデルコ社のシニアマネージャーであり、シニアマネージャーの関与していないところで取引が行われていたという説明は納得がいかない」とのこと。

 

後にダビラは服役態度が良かったために刑期満了前に釈放されたといいます。

 

ことダビラ氏に限らず、ほぼすべてのディールが電子取引となった現在、たった一度のミスが巨額の損失を出すことは珍しくありません。株の単位を間違えて数億円の損失を出したというニュースも時々耳にします。

 

しかし、損した分をハイリスクの取引で取り戻すというのはギャンブル依存症を同じ思考になっていますね。

 

渦中のディーラーは客観的に物事をみる余裕がなくなっているのでしょう。しかし一つの国のGNPの0.5%って言い方を換えれば200分の1ですよね。2億700万ドル、1ドル100円で計算しても200億円超え・・・なんだか恐怖すら覚えますね。

 

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